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健康通信~小牧市民病院より~

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愛知県小牧市 クリエイティブ・コモンズ

問合先 市民病院(TEL 76・4131)

◇肥満症に対する新しい治療~減量手術について~
糖尿病内分泌内科 部長医師 上西 栄太

◯「肥満」は健康寿命を損ないます
 近年、食生活の欧米化や自動車の普及・デスクワークの増加など、身体活動の低下により本邦でも肥満者が増加しています。肥満が高度になると、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、心疾患、変形性関節症、睡眠時無呼吸症候群などの生命に危険を及ぼす合併症が生じます。実際に、肥満度が顕著になればなるほど死亡の危険性が増加することが報告されています。
 以前より、肥満に対する様々なダイエット法が提唱されてきました。一定の効果を有するものもありますが、そのほとんどはリバウンドの問題があり、長期的に高い有効性を示すものは存在しませんでした。現在、高度肥満に対して世界的に最も有効な治療法として「減量手術」が注目されています。これは脂肪吸引のような美容外科手術ではなく、胃の一部を切除し、その容積を縮小させる手術です。この手術の真の目的は、ただ体重を減らすことだけではなく、時に致命的となる肥満関連合併症を改善させることにあります。

◯世界では減量手術で健康を取り戻す患者さんが増えています
 米国では、減量手術が年間20万人以上に施行されています。これは日本で施行される胃癌手術の10倍以上の件数であり、減量手術が肥満症の標準的な治療として位置づけられていることが分かります。しかしながら、日本では減量手術を受けることができる施設が限られていたことからその普及が進んでおりませんでした。
 小牧市民病院は地域の基幹病院として、先進医療の分野にも一貫して取り組んで参りました。その取り組みの一つとして現在、肥満症の患者さんを対象とした減量手術の選択肢を提供できる体制を整えております。当院で行われる減量手術(腹腔鏡下スリーブ状胃切除術)の方法等は当院ホームページをご参照ください。腹腔鏡手術で切除された胃はバナナ1本分程度の容積となります。術後は喫食量の減少のみならず、全身の様々な代謝状態が改善し、減量効果に加えて糖代謝や脂質代謝異常などの顕著な改善効果が認められます。

◯具体的な治療効果は?
 およそ30%の体重減少効果が期待できます。それに伴い糖尿病や高血圧症、脂質異常症といった生活習慣病の改善が見込まれます。また、体重が減少することで膝や腰の痛みからも解放される事が期待されます。生活習慣病が治癒した患者さんは全ての内服薬を中止することができます。さらに、多くの方がインスリン注射をやめられる可能性があります。
 このことから、術後に医療費を大幅に削減できます。特に、インスリン注射を中止できた場合には約8万円/年ほどの医療費の自己負担額が軽減されます。

◯以下の条件を満たした糖尿病の患者さんが手術の対象となります
■年齢 25歳から60歳
■BMI(=体重(kg)÷身長(m)の2乗)が30~40
※おおよその目安
140cm:60~80kg、150cm:68~90kg、160cm:78~105kg、170cm:87~115kg、180cm:100~130kg
■手術や麻酔が危険でない(重症の内臓疾患がない)
■不安定な精神疾患がない

◯外科での入院・手術費用は35万円程
 残念ながら現状では、東海地方において保険診療で減量手術を実施できる病院はありません。当院でも保険外診療となりますが、手術および通院にかかる費用は保険診療で行った場合とほぼ同等となります。安全性についても十分に配慮をしており、院内の倫理審査委員会にて承認された実施要領に基づき、専属チームが患者さんの精神的・身体的なサポートをしていきます。また、実際の手術は当院の外科医師のうち、日本内視鏡学会技術認定取得者により実施されます。
 なお、費用は入院日数や診療内容により変動する可能性があります。

◯減量手術のご相談・ご予約について
 詳細を知りたい方や実際に手術を希望される方は、当院の糖尿病内分泌内科でご説明させて頂きます。かかりつけ医にご相談のうえ、受診予約をお取りください。

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