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民生委員制度創設100 周年記念 地域福祉対談 1

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愛知県小牧市 クリエイティブ・コモンズ

○民生委員・児童委員 主任児童委員
○区長
○社会福祉協議会

民生委員制度は、大正6年に岡山県で創設された済世顧問制度にはじまり、翌年に大阪府で創設された方面委員制度が全国に広がり、戦後、民生委員制度に改められ、本年、制度創設100周年を迎えました。
「貧困対策」から始まったこの世界に例のない制度は、時代の変化の中で、市民の皆さんの福祉課題、生活課題に対応して活動の幅を広げ、今日へとつながっています。
今回の特集では、市内で活躍されている民生委員や地域のキーパーソンに地域福祉についてお話をお聴きしました。

◆稲垣幸恵(いながきゆきえ)さん(主任児童委員)
平成19年から小牧南部地区の民生委員・児童委員を9年務めた後、平成28年からは主任児童委員として活動。「地域で活動する」難しさを感じながらも「子どもに関わる活動」から地域福祉を考えます。

◆小栗佳子(おぐりけいこ)さん(民生委員・児童委員)
昭和61年から現在まで小牧西部地区の民生委員・児童委員を31年務めており、長年の活動から得られた豊富な知識と経験、区との連携の重要性から地域福祉を考えます。

◆吉田友仁(よしだゆうにん)さん(民生委員・児童委員)
昭和61年から現在まで北里地区の民生委員・児童委員を31年務め、平成22年からは、小牧市地区民生委員・児童委員連絡協議会の会長を務めています。今回の対談では、コーディネーターとして、「区長」「民生委員」「社会福祉協議会」の連携の意義を読者の皆さんへお届けします。

◆小柳松夫(こやなぎまつお)さん(市区長会連合会長
昭和44年から長年桃ケ丘第一区などの区長、平成28年度からは、市区長会連合会長を務めています。民生委員の方々との関わりを持つ経験から、住民の福祉向上のために「区」と「民生委員」による連携の必要性を考えます。

◆稲垣喜久治(いながききくじ)さん(社会福祉協議会会長・大草東区長)
平成13年から現在まで大草東区の区長を務めるとともに、平成22年から市の福祉推進の中核を担う社会福祉協議会の会長を務めています。小牧市の福祉向上に不可欠な「民生委員」の役割と、地域福祉の充実に必要な「区」の役割について考えます。

(※対談中は敬称略。民生委員は児童委員を兼務しますが、対談本文では「民生委員」と表記します)

吉田:皆さん、今年は民生委員制度創設100周年の記念すべき年です。そこで、民生委員や区長としてご活躍いただいている皆さんに、これまでの民生委員活動や地域活動についてご紹介をいただきたいと思います。 まずは民生委員を30年以上務めていただいております、小栗民生委員からお願いします。

■これまでの民生委員の活動を振り返って
小栗:私が民生委員になった頃は月に1回、安否確認も兼ねて、無料でお弁当を作ってひとり暮らしのお家へ宅配していました。それが現在では、高齢者の見守りや介護予防、災害時の支援、子育て支援、いじめ対策と民生委員に求められる役割も多様化しています。このような時代の変化の中でも、よき隣人として民生委員が地域と市のパイプ役になることが必要だと思っています。

吉田:私も民生委員になりたての頃は、男性の民生委員が、お弁当をひとり暮らしの皆さんのお宅へ配送する役目を担っていました。配りに行った先で「今か今かと待っていました」と言っていただくと「本当にやってよかったな。配ってよかったな」と感動した記憶が今でも蘇ります。

小栗:本当にそうですね。最初は民生委員でお弁当づくりから宅配と安否確認までやっていましたが、年々、対象人数が増えていく中で婦人奉仕団の方にもお手伝いをいただいたり、最近では配食サービスの方にお願いしたりするようにもなりましたが、今日の民生委員の活動の礎いしずえになっていると思っています。

吉田:稲垣主任児童委員はいかがですか。かつて民生委員を3期9年務め、今期から主任児童委員として、子どもの貧困や児童虐待など多くの課題に取り組まれていると思います。これまでの経験やこれからの活動への思いなどを語っていただきたいと思います。

稲垣幸:私は民生委員として、中学校のジュニア奉仕団の世話人をしていて、そこで子どもたちと関われたことがよかったなと感じたことでした。しかし、民生委員になりたての頃は、自分よりも年上の方には「あなたのような若い人にはお世話になりたくない」と言われ、逆に若い方には「民生委員ってなに?」と言われてしまうなど、民生委員の活動について理解が得られないことによる「活動のしにくさ」というものを感じる事がありました。9年活動して、ようやく受け入れていただけるようになったかなと思っています。

◇区と民生委員との連携
吉田:活動を始めて2〜3年では地域の方の理解や信頼も得られず、活動が難しかったというお話でした。地域の状況も変わってきたのかなとも思いますが、そのあたり、区長会の代表であり、また区長として民生委員とも繋がりの深い、小柳松夫連合会長はいかがでしょうか。

小柳:私が民生委員さんと関わりを持つようになって、もう50年になります。当時は子ども会の組織化やその推進、あるいはPTA関係の支援・協力ということをしておりましたが、その頃から民生委員さんとの協力体制というものの重要性を感じておりました。 この50年の間には長く民生委員として活動された方もいれば、1期で辞められてしまった方もいましたが、民生委員を推薦する立場の一人として、どの方も民生委員を引き受けていただくお願いに行った際に、快く承諾していただいたことがありがたかったですね。 時代や社会の変化の中で個人のライフスタイルも変わり、長期間、民生委員をお願いすることが難しかったり、民生委員の活動や求められる役割も変わり、活動する内容も多様化していると感じています。 区長である私としては、これからも民生委員さんと、お互いの協力関係・信頼関係を大切にしたいと思っています。

吉田:小柳連合会長も稲垣会長も区長という重責を、長く務められ、住民の皆さんから信頼を得られているからこそ「この人に頼まれたのなら、民生委員をやろう」という気持ちになっていただけるのだと思います。

小栗:うちの区では、毎月1回、区の会合に民生委員も入って、区の中の事情なども把握しながら、行事のお手伝いなどもさせてもらっています。そうした活動も民生委員の役割の一つだと思っています。

小柳:区と民生委員の連携が上手くされていれば、地域の情報はかなりの部分、把握ができると思います。ただ最近はひとり暮らしのお年寄りが増えていますが、区では把握はできても、支援まで手がまわらないこともあります。民生委員さんだけでなく、地域の方で年をとってもまだまだ頑張れるぞ、という方と協力関係を築いていくことが今後の課題だと思っています。

吉田:市の方でも地域の絆や助け合い・支え合いの仕組みとして、各小学校区で地域協議会の設立を進めています。そういった取組みも区と民生委員の連携や地域住民同士の協力に良い効果があるのではないかと期待しています。

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